CBT方式とは

第1次試験はCBT方式で実施されます。2026年度はプロメトリック株式会社に委託して行われます。

CBTは会場のパソコンで受験する方式です。問題も選択肢も画面に表示され、答えは画面上で選びます。紙の解答用紙にマークする作業がありません。

切り替わったのは2022年度

CBTは導入されたばかりの方式ではありません。アクチュアリー会は2021年7月に資格試験のCBT移行を発表し、2022年度の試験から切り替わりました。2021年度までは紙による筆記試験です。2026年度で5回目のCBT実施になるので、すでに定着した方式といえます。

移行を発表したお知らせでは、理由として、感染症の拡大で受験機会が失われるリスクを抑えることが挙げられていました。

受験者にとって切り替えの実質的な意味は、会場が広がったことです。紙の時代の試験会場は東京と大阪の2会場だけでした。CBT移行で東京・大阪以外の会場でも受験できるようになっています(すべての都道府県で受験できることが保証されているわけではありません)。地方在住の受験者には、遠征の負担が減ったこの変化が、解答方法の変化より大きいはずです。

一方で、CBTになっても年1回の一斉試験であることは変わっていません。会場と日時を自由に選べる検定型のCBTとは違い、科目ごとに決まった日時で一斉に実施されます。受けやすくなったのは場所であって、時期ではありません。試験科目・試験範囲・受験資格も移行の前後で変わっていません。

紙の時代から変わらない点をまとめておきます。試験時間は全科目180分、100点満点です。受験料は1科目8,500円、受験資格は試験年度の3月31日時点で満18歳以上です。

一方、問題の並びは移行と同時に見直されました。紙の最後の年度までは問題1だけが小問集合(1問5点×12問=計60点)でしたが、CBT移行後は小問集合が問題1・問題2に分かれ、年度によっては問題3にも小問が置かれています。

つまり、問われる中身と試験時間は変わらないまま、解答の入力方法と問題の並びが変わった、というのが移行の実像です。

紙の試験と比べて効く3つの違い

残り時間が画面に表示される

時計類の持ち込みは認められていません。代わりに残り時間がパソコンの画面に表示されます。

自分の腕時計で管理する習慣がある人は、練習のときから画面の時計を見る形に慣れておく必要があります。逆に言えば、時計を忘れる心配はなくなりました。

問題を行き来できる

画面上で問題を前後に移動できます。紙の試験でもページをめくれば同じことはできますが、CBTでは移動が軽くなります。

これが効くのは、手が止まったときの判断です。飛ばして次に進み、後で戻る。この動きを取りやすくなっています。

合格体験談9件のうち、解く順序や時間配分に触れていたのは2件でした。1件は具体的で、全体を見渡してから解きやすい大問を先に取り、手強い問題は後回しにする。手が止まったら最初の一部だけ埋めて次へ移る。実際に解いた順序を「1、2、5、4、3」と記録していました。

別の1件は、問題ごとの目標時間を小問7分から8分、大問15分から20分と決めていました。この時間を超えたら次へ移る、という基準を持っておくと、行き来できることが迷いにつながりません。

計算は手元の紙と電卓で行う

画面で解答しますが、計算は紙と電卓で行います。計算用紙は10枚配布され、不足したときは申し出れば追加できます。

注意点が2つあります。計算用紙のホチキスを外してはいけません。そして持ち帰りもできません。

電卓は自分で持ち込みます。条件があるので別の記事で扱います。

持ち込みと持ち込めないもの

2026年度の試験要領に沿って整理します。

項目 扱い
電卓 持ち込む(条件あり)
筆記具 消しゴム付きは不可
時計類 持ち込み不可。残り時間は画面に表示
飲料 水のみ。1リットルまで、無色透明、ラベルは事前に剥がす
本人確認書類 原本のみ。電子媒体は無効
計算用紙 会場で10枚配布。ホチキスを外すこと・持ち帰りは禁止

消しゴム付きの筆記具が不可、というのは見落としやすい条件です。普段使っているシャープペンシルの尾部に消しゴムが付いていないか、事前に確認しておく必要があります。

飲料は水だけで、ラベルを事前に剥がすことまで指定されています。会場で剥がす時間を取られないように、家を出る前に済ませておくのが確実です。

本人確認書類は原本でなければなりません。スマートフォンに保存した画像は無効です。

遅刻すると受験できない

集合時刻は試験開始の30分前に設定されており、これに遅れると受験できません。ただし公共交通機関の遅延証明書を会場受付に提示すれば、試験開始の30分後までは受験が認められる場合があります。

体験談でも、会場に事前に行ってみることを準備の一項目に挙げていた件がありました。受験直前の準備として、体調管理、会場の下見、持ち物の確認、暗記事項の最終確認の4つを並べていました。

CBTは会場を選んで予約する形になるので、自分が予約した会場の場所は自分で確認することになります。

時間配分をどう作るか

配点構成から逆算します。近年の数学の問題構成を並べます。

年度 問題1 問題2 問題3 問題4 問題5 問題6
2025年度 20点(小問4) 20点(小問4) 10点(小問2) 15点 17点 18点
2024年度 20点(小問4) 20点(小問4) 15点(小問3) 12点 16点 17点
2023年度 25点(小問5) 30点(小問6) 15点 15点 15点

小問形式の問題だけで50点から55点を占めます。合格基準は満点の60%が基準とされているので、小問を固めたうえで大問をどこまで取るかという設計になります。

体験談の1件は、小問で60点中40点、大問で40点中20点を基本線とし、大問で25点まで伸ばせると楽になる、と書いていました。これは小問集合が計60点だった構成の年度での話ですが、小問を土台として固めてから大問で上積みするという設計自体は、いまの構成でもそのまま使えます。

180分を配点で割ると1点あたり1.8分です。5点の小問なら9分ですが、大問に時間を残す必要があるので、実際には小問を7分前後で回すのが現実的な目安になります。タクティクスが各問に付けている目標解答時間が7分中心なのは、この配分に合わせたものです。

まとめ

  • 第1次試験はCBT方式。2026年度はプロメトリック株式会社に委託して実施される。
  • 紙からCBTへの切り替えは2022年度の試験から。会場が東京・大阪の2会場から全国へ広がった一方、年1回の一斉試験であることは変わっていない。
  • 試験時間180分・100点満点・受験料は従来どおり。小問集合は移行時に問題1だけの形から問題1・問題2に分かれた。
  • 残り時間は画面に表示される。時計類は持ち込めない。
  • 問題を行き来しやすいので、手が止まったら飛ばして戻る動きが取りやすい。目標時間を決めておく。
  • 消しゴム付きの筆記具は不可、飲料は水のみでラベルは事前に剥がす、本人確認書類は原本のみ。